「ネコのダイエット用のエサってどうやって選べばいいんだろう」
「注意することはあるのかな?」
このようにお悩みの方もいるのではないでしょうか。
肥満は病気にもつながるため、ダイエットは大切です。
しかし方法を間違えると栄養状態の悪化なども考えられるため、慎重に行う必要があります。
今回はネコがダイエットをする時のエサの選び方や、注意点を解説します。
ダイエット用のエサを探している方は、最後まで読んでみましょう。
ネコがダイエットする時のエサの選び方
ダイエット用のエサを探すときは、次の4つをチェックしましょう。
- ライフステージに合ったもの
- 肉や魚が原材料
- たんぱく質・脂質がとれるものを選ぶ
- 健康をサポートする効果があるもの
エサ選びは健康的にダイエットをするうえで重要なので、ぜひ参考にしてください。
年齢や状態に合ったもの
エサを選ぶ際にもっとも重要なのが、ライフステージに合ったものを選ぶことです。それぞれの年齢に必要なカロリーや栄養素を考えて作られているため、他の年齢向けのエサを与えると、栄養バランスが崩れてしまいます。
また、年齢別だけでなく去勢・避妊手術をしたネコや室内飼いのネコに向けたエサも、販売されています。包装袋の表示をきちんと確認し、自分のネコに適したエサかどうかを確認しましょう。
肉や魚が原材料
ネコは肉や魚など動物性の原材料の方が消化しやすく、効率的に栄養を吸収できます。
包装袋の原材料表示を見て、肉や魚の比率が多いものを選びましょう。
原材料表示は使われている量が多い順に記載されているため、肉や魚などが上の方に書いてあるものを選ぶとよいです。
低カロリーかつ栄養バランスがいいもの
ダイエット用のエサは低カロリーなだけでなく、栄養バランスがいいものを選びましょう。
「低糖質」「高繊維」のものが望ましいです。
高繊維のものは腹持ちもいいため、空腹感を感じにくくなります。
ただし、タンパク質や脂質は重要なエネルギー源となるため、極端に減らさないようにしてください。栄養不足で体調不良になるおそれもあります。
栄養失調にならないよう、バランスがいいエサを与えることが大切です。

健康をサポートする効果があるもの
フードには機能食品のようなものもあるため、健康をサポートしてくれるフードを選ぶとよいでしょう。次のような種類があります。
- 腸内環境を整える
- 毛玉をコントロールする
- 下部尿路の病気を防ぐ
気になる効果があれば取り入れてみるのがおすすめです。
ネコのダイエット中のおやつの与え方
おやつはできれば与えないのがよいですが、与え方に注意すればあげても大丈夫です。
おやつを与える量は、一日の適正量(摂取カロリー)の10%までにしましょう。おやつを与えたら、その分食事の量を減らします。
おやつは次のようなものがおすすめです。
- 牛肉・鶏肉(赤身やささみなど、低脂質の部分を)
- 果物(りんご、バナナ)
- 野菜(ニンジン、きゅうり、セロリ)
チーズや加工肉など人間の食べ物は少量でも猫にとってはカロリーが高いという場合があります。脂質の少ない肉類や果物・野菜がおやつには向いています。
おやつを与えるときは食べやすいように、小さくカットしてあげましょう。
おやつを与えるタイミングを不規則にすると「いつもらえるかわからない」というドキドキ感をネコに与えられます。
ストレス解消にもつながるため、おやつはダイエット中のご褒美として適正量を守りつつ活用するとよいです。
ネコのダイエットの注意点
ネコのダイエットでは、次のことに注意が必要です。
- 減量ペースをチェックする
- エサの量を減らしすぎない
- 少量ずつ与える
- ダイエット用のエサへの切り替えは慎重に
上記の4つに気をつけると、健康的にストレスなくダイエットができます。
減量ペースをチェックする
健康的にダイエットするには、減量ペースをチェックすることが大切です。急激なダイエットにならないよう、ゆっくりとしたペースを心がけてダイエットを行います。
次のペースを参考にしてください。
時期 | 体重を減らすペース | 体重変化の例(6kgの場合) |
開始〜1週間 | 開始時の1〜2% | −60g〜120g |
1週間〜1ヶ月 | 開始時の4〜8% | −240g〜480g |
その後 | 1ヶ月ごとに4〜8%ずつ | −240g〜480g |
ネコにとっての体重100gは、人間にとっての1.2kg〜2kgほどに相当します。あまり変化がないように感じても、焦らずゆっくり体重を減らしていきましょう。
エサの量を減らしすぎない
エサの量を急に減らしすぎないことが大切です。1日に与えるエサの量を、今の量から10%ずつ減らしていき、徐々に少ない食事量に慣れさせましょう。
急な変化はネコにストレスを与えてしまうため、慌てずに量を減らしていくのがおすすめです。
少量ずつ与える
エサは1日に食べる量を、数回に分けて少量ずつ与えましょう。一度に与えると出された分を一気に食べてしまい、もっとほしがるようになります。
エサは数回に分けて与え、食べ残した分はすぐに片付けることが大切です。仕事をしていて日中家にいない人は、自動給餌器などを活用してみましょう。
ダイエット用のエサへの切り替えは慎重に
ダイエット用のエサへの切り替えは慎重に行いましょう。ネコは変化に敏感な生き物なので、急にエサが変わると食べなくなる可能性もあります。
普段食べているエサに少量ずつ混ぜて、徐々に慣れさせるのがよいです。しばらく続けてダイエット用のエサに慣れてきたら、混ぜる分量を増やしていきましょう。
また、ダイエット用のエサを何種類も用意する必要はありません。「食べ飽きないかな?」と思うかもしれませんが、エサを頻繁に変えるのはストレスの原因にもなります。
ダイエット用のエサを1種類決めたら、同じものを与えるようにしましょう。
まとめ
ネコのダイエットはエサを変えるだけでなく、エサの与え方の工夫も大切です。ネコが変化に気づかないよう、徐々にエサの種類や量を変えていきましょう。
今回紹介した内容を参考に、ぜひダイエットを成功させてください。
参考文献「現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285」藤井康一(2020年)