「洋服が毛だらけ」
「掃除してもキリがない」
このようにお悩みの方もいるのではないでしょうか。換毛期だけでなく一年中抜け毛に悩まされている飼い主は少なくありません。
洋服やカーペットにつくネコの抜け毛を、少しでも減らせたら嬉しいですよね。
今回は抜け毛でお困りの方に向けて、ネコのお手入れや掃除の方法を紹介します。「抜け毛を減らしてもっと暮らしを快適にしたい」という方はぜひ参考にしてください。
ネコの抜け毛が増える理由
ネコの抜け毛が増えるのは、次の4つが理由です。
- 換毛期
- ストレス
- 栄養不足
- ストレス
順に解説していきます。
換毛期
春と秋に訪れる換毛期は抜け毛が増えます。これは気温の変化に適応するように毛が生え変わるためです。
とくに毛が2層に分かれて生えている「ダブルコート」のネコは、顕著に抜け毛が増えます。たとえば、下記のネコはダブルコートです。
- ペルシャ
- スコティッシュフォールド
- マンチカン
- アメリカンショートヘア
- ロシアンブルー
日本にいる雑種のネコはほとんどがダブルコートだといわれています。毛をかき分けたときに、綿毛のようなふわふわの毛があればダブルコートです。
自分のネコがダブルコートかどうかを知りたい場合は、毛をかき分けてチェックしてみてください。
ストレス
ネコがしきりに毛づくろいをして毛が抜けている場合は、ストレスの可能性があります。精神を落ち着かせるために毛づくろいをしているのかもしれません。
毛づくろいのし過ぎで脱毛症になることも。また、飲み込んだ毛玉が胃の中で固まって毛球症などを起こすおそれもあります。
抜け毛の量は多くないのに、毛が薄い部分があるというときは気をつけましょう。ストレスの原因を探して、解消してあげる必要があります。
栄養不足
十分に栄養を取れていないと、大量に毛が抜けることがあります。とくにタンパク質が不足している場合は要注意です。
「ダイエットでフードを変えた」「最近ご飯を食べる量が減った」など、心当たりがある方は、すぐに食生活を見直しましょう。
ダイエットフードはきちんと原材料を見て選ばないと、十分な栄養が取れない場合があります。動物性のタンパク質をとれるフードを選びましょう。
また、食欲が低下しているのは何か病気が隠れているのかもしれません。フードを変えても食べてくれない場合は、早めに受診してください。
病気
換毛期でもないのに急に抜け毛が増えたという場合は、次のような病気が隠れている可能性があります。
- 猫ニキビ
- 疥癬
- 皮膚糸状菌症
これらの病気の場合は、抜け毛だけでなくフケなどの症状も見られることが多いです。
全身の状態を観察して、病気に気づいてあげることが大切です。病気が疑われる場合は獣医に相談しましょう。
ネコの抜け毛対策【お手入れ編】
抜け毛対策をするときは、まずは毛が抜けて床に落ちないようにすることが大切です。今から紹介するお手入れ方法を参考にしてください。
- 毎日1回はブラッシングする
- 地肌が見えない程度ならサマーカットもオッケー
- 長毛種は月に一回シャンプーをしよう
スキンシップもかねて、丁寧にお手入れをしてあげましょう。
毎日1回はブラッシングする
抜け毛対策は毎日のブラッシングが基本です。抜け落ちる前にブラッシングで毛を取り除きましょう。
短毛種はラバーブラシなど柔らかいブラシがおすすめです。ハードタイプや金属製などの先端が硬いブラシは、直接皮膚に当たって傷つける危険性があります。
長毛種には硬めのしっかりしたブラシを選びましょう。毛が厚いため、柔らかいブラシを使うと毛が取れにくいです。
こまめにブラッシングをしていると、落ちる毛の量を減らせます。またスキンシップも増えるので、ストレス軽減など他の効果も感じられるでしょう。
地肌が見えない程度ならサマーカットもオッケー
夏は地肌が見えない程度なら、サマーカットをしてもいいでしょう。長毛種は湿気がこもったり汚れが残ったりして、皮膚炎になりやすいです。
サマーカットをすることで皮膚炎の予防ができます。また、熱中症対策にもよいです。
ただし、必ずサマーカットをしたほうがいいということではありません。必要性については意見が分かれるお手入れなので、抜け毛対策以外にもメリットがあるかを考えてから行いましょう。
長毛種は月に一回シャンプーをしよう
長毛種で抜け毛がひどい場合は、月に1回程度ならシャンプーをしてもいいでしょう。ただし嫌がる子を無理やりシャワーに入れるのはよくありません。
ネコは本来シャワーの必要がない生き物です。ネコが嫌がらない場合にのみ試してみましょう。
シャワーをしたあとは、風邪をひかないようにしっかりと乾かすことが大切です。
ネコの抜け毛対策【お掃除編】
お手入れをしても猫の毛は落ちますよね。家の中を掃除するときは次のことを意識するとよいです。
- 粘着テープで取る
- ゴム手袋でなでる
- 床掃除は霧吹きで濡らしてから
- ペーパーモップを使う
- 空気清浄機を設置する
順に解説していきます。
粘着テープで取る
「コロコロ」とも呼ばれる粘着テープは、抜け毛を取るのに最適です。狭い範囲や洋服の毛を取るくらいなら、粘着テープを使うといいでしょう。
カーペットを掃除するときに「膝をついて毛を取るのは大変」という方は柄が長いタイプの粘着テープがおすすめです。
範囲が広くなると粘着テープを大量に消費してしまうため、他の方法で掃除したあと補助的に使うのがよいかもしれません。
ゴム手袋でなでる
カーペットやキャットタワーなどはゴム手袋をつけて表面をなでると、毛が簡単に集まります。取れた毛を捨てるときは、水に濡らして集めるだけ。
ゴム手袋も再利用できるため経済的です。使い捨ての手袋で掃除して、そのまま捨ててもいいでしょう。
ゴム手袋は掃除機では取れない絡まった毛にも効果的なので、ぜひ試してみてください。
床掃除は霧吹きで濡らしてから
床掃除をするときは、霧吹きで床を濡らしてからおこなうのがおすすめです。濡らすことで毛が舞わなくなり、集まりやすくなります。
床を濡らし、雑巾などで毛を取ってから掃除機をかけましょう。
ペーパーモップを使う
「床を濡らしたり雑巾をかけたりするのは面倒」という方は、ペーパーモップを使うのがおすすめです。使い捨てなので毛を集めたらそのまま捨てられます。
ウェットタイプとドライタイプがありますが、ウェットタイプの方が毛がまとまりやすいためおすすめです。
毎日のお掃除にぜひ取り入れてみてください。
空気清浄機を設置する
毎日の掃除を少しでも楽にしたい方は、空気清浄機を併用するとよいです。空気中を舞う毛を集めてくれるため、服につく毛を減らせます。
ただし毛がフィルターに絡まって性能が落ちるため、こまめなフィルター掃除は必要になります。
ペットの毛が付きにくくなる洗剤を使う
服にまとわりつきやすい猫の毛。洗濯も大変ですよね。そんなお悩みを持つあなたにぴったりなのが洗濯洗剤「リモサボン」。ネコちゃんを洗うものではなく、飼い主さんの洋服を洗う洗濯洗剤です。洗うごとに特殊なコーティングが施され服に毛が絡みにくくなります。
詳細はコチラ抜け毛はネコにも人にも健康被害を起こすおそれが
ネコの抜け毛はホコリなどと絡まってハウスダストとなり、アレルギー症状を引き起こすおそれがあります。アレルギーは人だけでなくネコにも起こるため注意しましょう。
アレルギーで起こる症状 | |
人 | ・鼻水やくしゃみ・鼻詰まり・喘息・皮膚炎 |
ネコ | ・目のかゆみ・結膜炎、角膜炎・喘息 |
鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の方は、悪化する原因にもなります。ネコと健康的に暮らしていくためにも、抜け毛対策は重要です。
まとめ
抜け毛は家具や服に付くだけでなく、健康被害も引き起こす可能性があります。ネコと健康に暮らしていくためには、抜け毛対策が大切です。
毛が落ちる前にお手入れしてあげることと、毎日こまめに掃除をすることを心掛けましょう。
参考文献「現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285」藤井康一(2020年)