「最近ネコの口周りに白い毛が生え始めた」
「ネコが歳をとるとどうなるの?」
このようにお悩みの方もいるのではないでしょうか。ネコの老化のサインは人間に比べるとわかりにくく、気づけないことも少なくありません。
今回はネコの老化のサインについて解説します。長生きの秘訣やシニア期の接し方も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
ネコの老化サインはいつから始まる?
老化は徐々に訪れるためいつとは明確に表せませんが、ネコのシニア期は11歳ごろからと言われています。人間に換算すると60歳を越えたくらいの年齢です。
ネコと人間の年齢の目安は次のとおりです。
ネコの年齢 | 人間の年齢 |
1歳 | 15歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
5歳 | 36歳 |
7歳 | 44歳 |
10歳 | 56歳 |
12歳 | 64歳 |
15歳 | 76歳 |
2歳以降は1年で4歳ずつ歳をとっていきます。ネコは人間よりも早く老化していきますが、見た目の変化が少ないため老化のサインを見逃してしまいがちです。
毎日のお手入れの中でしっかり観察し、少しの変化にも気づいてあげられるようになりましょう。
最近は20歳を超えるネコも増えてきており、飼い主のお世話によって寿命を延ばすことができるかもしれません。
ネコの老化のサイン7つ
ネコの老化のサインには、次の7つがあります。
- 歯が黄色く(茶色っぽく)なり口臭がする
- 太ももが細くなり高いところに上らなくなる
- 毛がパサつき、ツヤがなくなってきた
- 寝ている時間が長くなった
- 涙を流したり目を痛がったりする
- 爪が伸びやすくなった
- 鼻や口周りに白い毛が混じり始めた
涙を流したり目を痛がったりするのは、まぶたが眼球の内側に入っていき、毛が角膜を傷つけているのかもしれません。年をとると目がくぼみ、まぶたが眼の内側に入ることがあります。
また爪が伸びやすくなったときも要注意です。脚の筋力が衰えると爪とぎの動きをしていても、上手にとげていないことがあります。
とくに親指の爪はとぐのが難しく、伸びた親指の爪が肉球に刺さって化膿することも。ネコの健康に関わる変化には、速やかに対処しましょう。
ネコの老化を緩やかに|長生きの秘訣
ネコの老化を穏やかにし、長生きさせるには飼い主のケアが重要です。次のような行動を心がけましょう。
- 毎日遊んで運動をさせる
- 栄養バランスがいいフードを与える
- 毎日話しかけたりブラッシングをしたり、コミュニケーションをしっかりとる
- 毎日撫でたり触ったりして体の状態をチェックする
- 体重をこまめに測る
- 尿や便の回数や量、色などをチェックする
- できるだけこまめに歯磨きをする
ネコとたくさん触れ合い、体調管理・チェックをおこなうことが長生きの秘訣です。しっかりお世話してもらった子は最後までしっかり食事をとり、直前まで元気ということもあります。
元気に長生きできるよう、愛情を込めて接してあげましょう。
ネコに老化のサインが現れたときのお世話の方法
ネコに老化のサインが現れ始めたら、今までとはお世話や環境を変えるタイミングです。次のような気配りをしてあげるのがおすすめです。
- キャットタワーを窓際に置く
- 段差が低いトイレに変える
- 高いところに登れるように足場を作ってあげる
- フードの器はネコの姿勢に合わせて変える
詳しい内容と理由について解説します。
キャットタワーを窓際に置く
キャットタワーを窓際に置くと、ネコの認知症予防に役立ちます。外の景色を眺めることで、脳に刺激が生まれるためです。
室内飼いのネコの生活には刺激が少なく、脳の働きも鈍くなってしまいます。
人通りがある道に面した窓に、キャットタワーやネコが登れる台などを置いてみましょう。
段差が低いトイレに変える
高齢ネコの身体の負担を減らすためにも、段差が低いトイレに変えましょう。老化すると関節痛があったり筋肉が減ったりして、段差を登るのが大変になります。
砂が散らばるのを防止するために入り口の段差が高いものや、入り口が上に付いているものがありますが、高齢ネコにはあまりおすすめできません。
新しいトイレに慣れるのにも時間がかかるため、早めに変えておくのがよいです。入り口に踏み台を置いて、足場を作るのも一つの方法です。
高いところに登れるように足場を作ってあげる
高齢になると段差を登るのが辛くなるため、足場を作ってあげるのがよいです。若い頃はジャンプして登れていた高いところも、登れなくなっていきます。
ネコは高いところが好きなため、お気に入りの場所が棚の上だったりもするのではないでしょうか。
歳をとってもお気に入りの場所で過ごせるよう、足場を作ってルートを確保してあげましょう。
フードの器はネコの姿勢に合わせて変える
フードの器は、ネコが食事をする際の姿勢に合わせることが大切です。高齢になり座って食べるようになると、高さがある器では食べにくいです。
座った状態で食べやすいような、高さが低めの器に変えてあげましょう。
ただし立って食べられる若いネコには、高さがある器のほうが食べやすいです。
まとめ
ネコのシニア期は11歳くらいからといわれています。長生きをして20歳まで生きるとすると、シニア期は10年ほど。
老化のサインが現れ始めたら、できるだけ快適で負担が少なく過ごせるように環境を整えてあげましょう。
もちろん、元気な時から丁寧にケアをしてあげることが重要です。毎日たくさん触れ合い、少しの変化にも気づいてあげられるようになりましょう。
参考文献「現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285」藤井康一(2020年)